2010年12月5日(日)
3日の金曜に、地元金沢歌劇座のこけら落としを兼ねた中村勘三郎金沢公演に行ってきました。1週間前にテレビCMでカミさんが見つけてネットでチケットを予約したのです。
勘三郎、勘太郎、七乃助という豪華な顔ぶれです。歌舞伎を見るのは初めてだったので楽しみにしていました。歌劇座は、以前は金沢市観光会館というべたな名称だったところで、竣工は昭和37年ですから何度も改修を重ねた古い建物です。
出し物は「棒しばり」と「仇ゆめ」の二つ。棒しばりは、大正5年に六代目尾上菊五郎と七代目坂東三津五郎が東京市村座で初演の、狂言「棒縛」を素材にした傑作。仇ゆめは、昭和41年に十七代目中村勘三郎、西川鯉三郎、二代目尾上松禄、長谷川一夫という出演者で大当たりをとった作品。
15時からの開演でしたが、3秒の狂いもなく幕が開いたのにはおどろきました。お客を待たせてはいけないという勘三郎の人柄なのでしょう。
画像は翌日の地元北国新聞からの引用です。七乃助演じる京の深雪太夫に恋心を抱く狸(勘三郎)が舞の師匠に化けて深雪太夫に近づく図。
2000席近い座席がほぼ満席で、中村屋のかけ声もかかり、2日間延べ4公演ともに大盛況だったようです。
オペラグラスで役者さんの表情を見ると、勘三郎がひょうきんな表情をしていたのに対して、ほかの役者さんはものすごく真剣で厳しい表情だったのが印象的でした。
こちらの画像も同新聞からの引用です。2日目の12月3日は全国的に強風が吹き荒れた日で、当地は昼過ぎから風速31mの暴風雨となりました。
画像は、午前中の公演が終わって出てきた観客で、踊りのお師匠さんや芸子さんたちなのか着物姿のお姉さんたちの姿も多く見られました。
仇ゆめは5幕あり、終了はぴったり17時でした。その後はアンコールで一同が勢揃いし、一人ずつ挨拶の言葉がありました。
初めての歌舞伎でしたが、マイクは全然使わず、邦楽の演奏をバックに役者の地声だけで満員のホールを満たしたのにはおどろきました。田舎ではこのような公演を見るチャンスはなかなかなく、すばらしいものでした。