2011年8月26日(金)
走行距離は2カ月で1,700kmを超え、以前は月に500kmしか走行しなかった私としては異例の走行距離です。
それほどこのゴルフ・トレンドラインに乗るのが楽しくて仕方ありません。
それに、ようやく自分なりのDSGの扱い方が分かってきたので、信号待ちや坂道の発進も色々試してみたくて仕方ありません。まるで高価なおもちゃです。
詳しい仕組みやプログラムがどうなっているのかは分かりませんが、二組の乾式クラッチがあり、発進時には1速側のクラッチが細かく断続して半クラッチ状態になることは、体感的に理解できています。
発進は、普通のマニュアル車と同じで必ず半クラッチ動作がなければ動き出せません。
ブレーキを踏んだ状態からブレーキペダルから足を離すと、体感的には0.5秒後ぐらいに半クラッチになり疑似クリープ現象が起こります。
この状態からアクセルをゆっくりと踏み込んでやれば、クルマはスムーズに発進します。
また、ブレーキペダルから足を離したあと、トルコンのつもりですぐにぐっとアクセルを踏み込むと、体感的には0.2秒後ぐらいに半クラッチ状態の振動が足に伝わり、動き出した直後にいきなりクラッチがどんとつながって、まるでマニュアル車でいきなりクラッチをつなげたように飛び出すようなショックが一瞬来ます。
アクセルをぐっと踏み込んだときも回転数は上がりますので、半クラッチ状態のときの回転数をコンピューターが制御しているのではなさそうです。
このような足の動作は、よく坂道発進で行ってぎくしゃくしてしまいます。
坂道発進では、数秒間はブレーキがきいていますから、ブレーキから足を離して軽くアクセルに乗せるだけで体感的にはすぐにクラッチがつながり、そのあとアクセルをスムーズに踏み込んでやれば、とても滑らかに発進することがわかりました。
平坦な交差点でもこれを行うと、ブレーキペダルから足を離してのんびりと疑似クリープ現象を待っているよりは素早く発進できます。
いままでは、疑似クリープ現象を待っていたために、ほかのクルマよりも一呼吸遅れて発進していたのですが、これでほぼ同じタイミングで発進できるようになりました。
それから、DSGの1速は本当に動き出すためだけの1速で、ディーゼル車の1速又は2速と似たようなものです(ディーゼル車は通常、2速発進と思います)。
このギヤ比の特に低い1速で引っ張って素早く加速しようとすること自体が無理な話だと思います。
1速は即2速にシフトアップされ、強力な加速は2速からというのが設計思想になっているように思います。
Sモードでもやってみましたが、なかなか2速にシフトアップされず、エンジン音ばかり大きくなって、「引っ張って加速」というイメージからほど遠かったものです。
これはDSGの限界で、アクセルをぐっと踏み込んでエンジン回転を上げ、クラッチをうまくミートさせて素早く発進するというような、人間系なら簡単にできるような操作がDSGではできません。
(筆者注) DSGに完全に慣れてしまえば、車の途切れたところでサッと大通りに出るようなクイックなスタートも可能です。
アクセルの踏み加減を体が覚えてしまえば、ガクンとならないギリギリのところで発進できるようになります。(2015年5月24日付記)
取扱い説明書には、「ブレーキを左足で踏んだまま右足でアクセルを踏み込み、3200回転以上にしてブレーキをゆるめることで最大の加速が得られる」と書かれています。
しかし、日常走行で、例えば側道から素早く本線に合流したいというときに、このような「左足でブレーキを踏んだまま」というような操作はまず100%することがありませんから、この操作方法は一般的ではありません。
交差点での急発進など、普段の私にはまず無縁なことなのですが、1速は走り出すだけ、加速は2速からという設計思想(おそらく)は、DSGを理解するには興味深いものです。
カミさんなどは、何も考えないでアクセルを踏んでいますから、走るだけならDGSを気にする必要は全くないのでしょう
が、私は今何速で走っているかなども気になりますし、停車寸前まで2速で、停車とほぼ同時に1速に入ることなどもマニュアル車のようで楽しいものです。
もちろん今さらマニュアル車に乗る気などありませんから、マニュアル車の感覚を思い出して楽しんでいるだけなのですが。DSG一つでこんなことを考えているなんて、やはり高価なおもちゃなのでしょうか。