ユピテル DRY-ST1000cについて まとめ的に

2018年10月28日(日)
 ユピテル製ドライブレコーダーDRY-ST1000cの不具合や専用アダプターでなければ起動しないことについて、いろいろ調べた結果、おもしろい情報が集まったので書いてみます。なお、ネット情報を参考にしていますので、推測の域を出ない部分があるのをご了承ください。

 不具合の状況

・車を入れ直すときなど、エンジンスタートしてすぐにエンジンを止めると、ドライブレコーダーが誤作動して、画面が逆さまになったり、文字が英文表記になることがある。また、録画もできなくなったりする。
・同じメーカーの同じ出力電圧5Vのシガー電源やバッテリー直結アダプターなのに、付属の専用アダプターでなければ動作しない。

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 DRY-FH200のリコール対策としての特徴

・DRY-ST1000cには、リチウムイオンバッテリーが内蔵されていないそうです。これは、リチウムイオンバッテリーの不具合で発煙・発火する事故の対策と思われます。
・リチウムイオンバッテリーの役割は、交通事故が起こってバッテリーからの電源が突然断たれた時に、撮影中のファイルが消えてしまうため、ファイルを正常にマイクロSDカードに書き込むための、バックアップ電源の役割をしていると思われます。
・DRY-ST1000cには、リチウムイオンバッテリーの代わりに、小型のコンデンサを2個直列(?)に接続したものを内蔵しているそうです。これに電気を蓄えることで、メモリー上のファイルを安全にマイクロSDカードに書き込む役割をしています。小容量のコンデンサの電気はすぐに消費されるので、電源がOFFになった時点では、コンデンサに電気はほぼ残っていないと思われます。

 なお、コンデンサーをシリーズ(直列)に接続することは、この場合メリットが無いので、パラ(並列)に接続して容量を増やす方がいいはずです。なので、これは並列の間違いのように思いますが未確認です。

 まず、誤作動で画面が逆さまの英語表記になることについて

 車を入れ直すときなどにエンジンを掛けてすぐに止めると誤作動するのは、ファイルを保存して本体をシャットダウンするコンデンサに、電気が十分に充電されないうちに電源が絶たれるため、ドライブカメラ本体が正常にシャットダウンできなかったものと考えられます。パソコンが立ち上がっている時に電源を遮断したのと同じです。

 対策は、本体の設定初期化です。詳細は10月23日の記事をご参照ください。リコール対策品として間に合わせたという感じですね。熱対策されたリチウムイオン電池が内蔵されていれば済んだ話ではないでしょうか。

 価格コム口コミ掲示板の情報

 この内容が非常に興味深いです。
検証はしていませんが、ほぼ間違いないものと思われます。


---------------引用と抜粋 ここから------------

ヘロキさん

オプションのACアダプターは、OP-E368です。
OP-E368の無負荷出力電圧は、4.99Vでした。
ユピテルはこれで動作を保証しているのですよね
なので電圧値が影響しているとは思えないです。

ちなみに
このACアダプターは、USB MiniBコネクターの内部で、
GND(5pin)とID(4pin)をショート(短絡)してあります。

シガープラグGER-5010-5M4
こちらも、
USB MiniBコネクターの内部で、
GND(5pin)とID(4pin)をショート(短絡)してあります。

DRY-ST2000cでも
供給電圧 4-5Shortの場合
1.電源は4.7V以上で正常動作する
2.USB MiniB 4ピン(ID)の状態を見ているようで
4(ID)-5(GND)間ショートは必須


RDM1102さん

結果
4-5pinが接続されて無いとST1000cは録画開始しません。
電圧の問題ではありません。

4-5pin接続の時だけ内部キャパを充電する。
内部キャパにより電源OFF後の終了処理を行う。
内供キャパの電圧が低いと録画開始しない。


ST1000c分解してみました。
内部には2つの電源があります。
ボタン型リチウム2次電池(MS621)で
時計のバックアップ用と思われます。
もう一つが、ゴールドキャパシタ47F 2個シリーズ接続でした。
(※管理人注 47μFをパラではないのかな?)

付属のシガプラグminiB端子は
4-5pinがショートされていて
USBコネクターから供給される電源(動作用)により
内部のコンデンサを充電します。

しかし汎用のminiB端子は
4-5pinがOpenなので内部のコンデンサを充電しません。

内部のコンデンサの電圧が高いと
On時「REC開始」します。
このため車から外してOn/Off数回は
USB電源でも Recするが 以降はRecしません。

注意点として、車を Off後 幅寄等で再度 Onし
内部のコンデンサが十分充電されていない間に
Offにすると記録ファイル異常や設定値壊れが希に起こります。

---------------引用と抜粋ここまで------------

上記の内容がすべてと言えます。


 DC5V電源の互換性がないことについて

 これは意外な展開になりました。DRY-ST1000cには、前述の通りリチウムイオンバッテリーの代わりにコンデンサが内蔵されているとのことです。電源コードの先端は、mini-USB端子になっています。mini-USB端子の役割は本来は次のようになっています。

1番ピン・・・+5V(電源プラス)
2番ピン・・・D-(データ転送マイナス)
3番ピン・・・D+(データ転送プラス)
4番ピン・・・ID(USB同士をつなぐ時に使用)
5番ピン・・・GND(電源アース)


 画像では左から1番ピン
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 通常、USBケーブルをバスパワー(電源)として使うときは、1番ピンと5番ピンのみを使います。ところが、DRY-ST1000cの場合は、4番ピンと5番ピンがコネクタ内部でつながっているそうです。そして4番ピンは、前述のコンデンサの充電用に使用しており、これは起動に必須との情報です。(コネクタの形状が小さく、ピンが奥にあるため実測はできませんでした。)

 ということは、ふつうの5V電源では、シガーアダプター、バッテリー直結電源を問わず、コンデンサに充電されないことになるそうです。他のシガーアダプターでは録画がスタートしないのは、コンデンサに充電されないかららしいとのことです。

 未確認なのでなんとも言えませんが、確かに専用ではない5V電源だと起動しないかもしれませんね。これも、リコール対策としてリチウムイオンバッテリーをコンデンサに置き換えたことで起きたものなら、稚拙な対策のように思います。ユーザーにとっては、実に不親切な話と思います。

 リチウムイオン電池に代わるコンデンサを設けたことと、これの充電回路がUSB電源コネクタの特殊なピン接続のために、ST1000cの不具合が発生していると思われます。専用電源を使用し、エンジンスタート後にすぐに停止するようなことをしないか、するときは電源コードを一時的に取り外すなどの対策をとることで不具合が解消されます。

ここまでのところをまとめますと

・リコール対策のため本体にリチウムイオンバッテリーはなく、コンデンサー2個がその代替品となっている。
・表示が英文表記で逆さまになるのは、エンジン始動してコンデンサが充電されないうちに止めたため。
・この場合は、ドライブレコーダー本体の「設定初期化」を行うともとに戻る。
・専用電源コードでなければ動作しないのは、USB電源コネクタの4番ピンと5番ピンがショートされているためで、4番ピンにも5Vが来ていないと動作しないため。
・この4番ピンの5Vは、コンデンサの充電回路につながっている。


 最後に、ドライブレコーダーはGPSタイプに限ります

 DRY-ST1000cはGPSタイプではありません。一番困るのが、ドライブレコーダーの時刻がすごく狂うことです。1週間で何時間も狂っていたことが有りました。ときにリセットされて2011年1月になっていたことも有りました。(初期値は2011年1月1日0時0分)

 万一の証拠動画として、時刻が2011年だったら証拠にはならないでしょう。何時間も狂っていても証拠にはならない可能性が大きいです。GPSタイプなら、常に正確な時刻になっているので時刻合わせも不要だし、証拠性においても十分な能力があると思います。

 証拠性を確保するためですから、ドライブレコーダーはGPS付きに限ります。



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by vient49 | 2018-10-28 15:39 | ドライブレコーダー | Comments(0)

何かにそっと呼び寄せられるような ※ブログ記事をリスト形式に変更してみました。2023/05/03


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