デジタルテスターの修理 DT830B

2019年3月24日(日)
 買ったのはもう10年前です。持っていたアナログテスター(サンワAX-303TR)の調子がいまいちになり、安いデジタルテスターとして500円ぐらいだったDT830Bをネットで購入したのです。これは当時の画像です。


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 ご覧のとおり、液晶表示の下のセグメントが消えています。不良品と言えますが、安いテスターだし、数値自体は正確なものだったのでそのまま使用していました。
 液晶の下端を指で押すと消えていたセグメントがつきます。接触不良かはんだ付け不良だと思いました。実はこのテスターは今でも販売されています。Amazonで評価を見ると、液晶セグメントの不良が非常に多いのです。
 簡単に直りますので、持っている方はお試しください。次は裏ぶたを開けたところです。一番上の方に白く見える長方形の部品が液晶パネルの裏側になります。


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 基盤を止めている小さなネジが2本あります。下図の矢印のネジです。これの締め付けが緩いので、精密ドライバーを使用してきつく締めると大抵は直ります。

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 液晶パネルと基盤の間にピンク色の物が見えます。これが導電性の硬質ウレタン状の薄い板で、基盤裏の接点と液晶パネルの接点をつないでいるのです。ハンダ付けしてあるわけでなく、基盤と液晶パネルに挟まっているという感じです。この圧着が弱いと、セグメントにうまく電流が流れないためセグメントがつかないのです。

 ピンク状の導電部品は、基盤と液晶パネルの接点位置を合わせてサンドイッチ状に挟んであるので、分解してバラバラになったときは、うまく位置を合わせる必要があります。でもそれほど厳密なものでなく、それらしい位置に合わせるだけで動作しました。要は接触不良だっただけです。

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 ご覧のとおり直りました。回路構成は1チップICになっているのでわかりませんが、液晶パネルへは極めて稚拙な構造で電流を送っています。これは国産メーカーではありえない構造です。ただ、今でも数百円と安いのでよく売れているようです。

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 このテスターは、テスター棒を測りたいポイントに当てると、数値が表示されるまでに約1秒程かかります。これは長いです。値が変動する場合は正確な値をリアルタイムで見ることが出来ません。これが欠点です。なのでアナログテスターもまだまだ必要な場面があります。デジタルテスターの修理でした。





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by vient49 | 2019-03-24 09:17 | 家電 | Comments(0)

何かにそっと呼び寄せられるような ※ブログ記事をリスト形式に変更してみました。2023/05/03


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